同じものが見えているとは限らない

お客様から質問があったので、書かせて頂きます。

良く、美容室に行く時、切り抜きを持って行きます。
イメージを伝えるのにはとても良い方法だと思います。

ただ、自分が見えているモノと同じモノが他人も見えているとは限らない。
と言う事に気をつけなければ成りません。
相手はプロなんだから・・・と思いがちですが、そうとも限らないのです。

例えば、
味覚はどうでしょう。
同じものを食べても、受け止め方はさまざまです。
「利き酒」で、酒の違いが分かる人も居ますが、私はその違いに気付けません。
違いの分かる舌が私には無いからです。
同じように、黒人の顔の違いも、私には良く分かりませんし、独身の時には、赤ちゃんはみんな同じように見えていました。
違いの分かる目が育っていなかったからですね。

興味を持って続けていれば、違いが見えるように感性が進化していくと思います。
が、
今の時点では、いくら目を凝らしても見えない人には見えないのです。

本当にニューヨークであった話ですが、ある日本人男性が、写真を持ってタイ人の美容室に行った時です。
店主は「OKOK」と、カットし始めました。
隣では、タイ人風のお客さんが、刈り上げ、東南アジアで良く見かけるパイナップルのようなヘアースタイルをしています。
「アレだけはイヤやなぁ。」
と、ちょっとイヤな予感がしたのですが、「写真を見せたし。」と、予感を吹っ切りました。
そして出来上がったヘアースタイルは、案の定パイナップルでした。
「全然違うやん!」と言っても、もう後の祭りです。
それでも、店主は満足気だったと言う事です。

では、なぜそんな事が起きたのか?
タイ人の美容室に行けば、タイ人のようになるのは容易に想像できます。
しかし、写真を持っていけば、プロなんだから出来るだろう。
と思い込んでしまったんですね。
しかし、このタイ人の美容師さんは、写真と同じヘアスタイルにしたつもりなのです。
同じように見えているんです。違いが分からないのです。
この人に、幾ら説明したって、おそらく伝わりません。

この例は極端のように思いますが、身近にも同じことがしょっちゅう起きています。
同じような価値観を持っている人にしか伝わらない事は多いですよ。
特に、デザイン系は伝わり難いようですね。


で、まとめますと、
切り抜きを持って行ったとしても、自分の事を理解してくれる美容師でなければ伝わらない可能性の方が多いと思います。
なぜ、コレを選んだのか?何が気に入ったのか?動きなのか?ボリュームなのか?色なのか?長さなのか?
だから今の何が気になってて、どうしたいのか?今後はどうするつもり?・・・
今の、生活環境とか、心境とか、性格、好み・・・など、色んな要素があって選んだ1枚の切抜きです。
美容師は、その切抜きの背景に興味を持って、理解し、施術させて頂くべきで、
お客様の立場からすれば、写真の切り抜きを通して、そこを説明して伝える事が大切だと思います。

結局は、目に見えるモノの中にヒントがあって、見えないモノの方が重要だと思うんです。

おっ、何か今流行の「深イイ話」っぽい(*^_^*)

 

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